欲求本位で情動に支配されており、文明化されたおとなの行動を身につけようと苦労している存在だというのである。
ティーンエイジャーを理解しようとする試みはそれ以降も行なわれたが、せいぜい雑多なメッセージを伝えるにとどまっている。
たとえばP・H著「M」は、ヴァージニア州レストンに住む8人の若者の生態をいきいきと描いた著作だが、登場するティーンエイジャーたちは孤独で不機嫌で、「よそよそしく、謎めいていて、何となく恐怖を感じる」存在として扱われる。
また作家のD・Bは月刊誌《A》に、もう少し年上のティーンエイジャーたちについて書いている。
P大学に入学する彼らは、ブルックスから見るとエリート予備軍だが、まるでお行儀のよいロボットだった。
「技術と知識を高める」活動ばかりやらされてきた子どもたちは、「聡明で、謹厳な道徳観をもち、驚くほど努力家で……組織の歯車にうってつけの若者」だとブルックスは書いている。
「アメリカン・ティーンエイジャーの盛衰という力作を書いたT・Hは、ティーンエイジャーという言葉の起源をM・Aに求めた。
この言葉は1940年代、マーケティングの新しい人口分類として誕生した。
しかし、社会の創造物としてのティーンエイジャーの概念は世界各地に存在しており、その定義は各地の文化的なニーズに合わせて都合よく変えられている。
たとえば古代ギリシャのスパルタでは、上流階級の男の子に家庭教師がついて、奴隷を盗み、威嚇する方法を指導していた。
インドの部族では男の子が年ごろになると山に入り、思春期らしい幻影、たとえば弓と矢の夢が訪れるのをじっと待つ。
いっぽう女の子は、初潮が来ると小屋にこもり、邪悪な霊を浄化する。
貧しい娘は織物工場で1日14時間も働かされたり、もう少し裕福だと、友人のところに召使として仕えることもあったという。
アフガニスタンでは、14歳になった男の子どうしが戦う慣習があった。
それに比べると西洋の若者たちは甘やかされていて、「成績も能力も関係なく、未熟なのは当然と認める社会のなかで、刑期をまっとうしている」だけだとHは見ている。
外側からティーンエイジャーを理解する試みはいろいろあるが、1995年にアメリカで始まった「全国青少年健康縦断調査」は最大規模を誇っている。
何しろ教会グループやロッククラブに属する9万人のティーンエイジャーを対象に、定期的に調査を行なっているのだ。
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